自分史(10)

「二人で頑張って集めた品物、引越の度に捨てる事ばかり。現在の所(昭和63年2月25日)使っている物は、夜寝る時の布綿ばかり。
松之山には山ほど置いてあるのに、どの品物を見ても思い出の物ばかり(二人にとっては)だ。
私は生まれつき我がままで人一倍気が強く、おまけに人に負けるのが大嫌いな体質ゆえ、主人には大変我がままも言ったけれど、私が選んだ人、主人はとてもやさしく、私を可愛がってもらった。有難う貴方、私の大好きだったお父ちゃん、私を大切にしてくれて有難う。

三世代一緒に暮らすと言う事は、年を取った人が我慢するのが大切だと思うと、自然と口数が少なくなる。あんなに喋った頃もあったのに、どうしたのだろうか。自分自身が分からなくなって来た。
新しい家が出来上がると言うのに、どうしてこんなに淋しいのだろう。先の事は考えても致し方ないとは思っているんだけれど、心配性の私にも困ったもんだ。」

おわり。
by yuji_aizawa | 2008-02-20 23:41 | 番外編